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2010年9月23日木曜日

すし匠


四ッ谷にある「すし匠」というお寿司屋さんに行って来ました。
こちらは先日訪れて身もだえするほど美味しかった、「すし匠 まさ」さんのお師匠さんのお店です。

もはや説明不要な説得力を持ったヴィジュアルなので、写真を並べまくります!


















この日は特にさんまがものすごくて、11枚目の大根おろしが乗った写真の断面を見てもらうと分かるかと思いますが、脂の乗りが尋常ではありません。
よっぽど良いものだったせいか、さんまだけで3貫も出てきました(アサツキ乗せ、大根おろし乗せ、皮をはいだもの)。
この辺りの手かえ品かえ感は、まささんにも濃厚に受け継がれていますね。

まささんと比べると、どっしりと大地に根ざした安定感を感じます。
アグレッシブなまささんに比べると、少し控えめ。
ただ、まささんは攻めに攻めまくってギラギラとしたエッジの立ちまくったお寿司屋さんなので、そこと比べて控えめってのは当たり前で、その辺の寿司屋に比べたら、非常に手は込んでるし、とても深く考えられています。
新鮮な魚をただ握っただけではない、寿司屋の仕事の最前線にあるお店です。

半歩先を感じたいときはまささん、完成された寿司ワールドを感じたいときはすし匠さんという感じでしょうか。
四季に一度は訪れたい…!


すし匠のご主人 中澤圭二さんの著書「鮨屋の人間力」。


2010年9月18日土曜日

小野田商店


中目黒にある「小野田商店」というホルモン焼き屋に行ってきました。
食べログを見る度に、何かに付け目に入ってきてずいぶん前から気になっていたのです。

焼肉・ホルモン激戦区の中目黒にあって、食べログで東京ホルモン7位の人気店。
肉マスターランキング殿堂入りとなるか? 実力のほどや如何に!?

煮込み。
良い焼肉・ホルモン屋には、たいていカットの際に出る切り落とし部分を有効活用した料理があるのです。
ここはすじ肉をメインに、何度も水を換えながら丁寧にアクを取った煮込みです。
味は全く付いてません。
これを塩コショウかぽん酢につけて頂きます。
まあ美味しいけど、俺は味噌でどろどろに煮込んだやつの方が好きだなあ。

レバ刺し。
これは合格◎。
鮮度や質はピンってほどでもないけど、味付けでうまくカバーしてます。

センマイ刺し。
辛めの酢味噌で。
包丁がきちんと入って無くて、切れてない。
味は普通。
ゆで時間が短くて歯ごたえ悪い。
煮込みには時間かけてるのになんで?
まんてんの白センマイ刺しみたいな神クラスのセンマイ刺しを知っちゃってると、どーでもいいレベル。

アスパラとズッキーニ。
ここ小野田商店は、野菜の焼物メニューがけっこう魅力的です。
でもちょっと味の素味強い。

まだ前菜食べきってないうちにガンガン皿を並べられる。
どうなの?

ホルモン盛り合わせ。
手前左下から右へ、コリコリ(大動脈)、ハラミ、小腸、豚のネック、豚トロ、こめかみだったかな?、大腸、
ミノサンド、ハツ。
質は間違いなくいいです。めちゃくちゃ良いです。

惜しいよなあ。もうちょっとオペレーションというか、サービスというかに気を配って、焼く順に並べてくれれば・・・!

ミノサンドのカットの仕方は、焼き手泣かせ。必ず脂の面に日が直接当たるカット。もったいない。
小腸、大腸は、脂を全く落としてないカット。でもこれだと身の面焼いてる時に脂がはみ出て落ちちゃうんだよね。そうすると火も立つし、結局食べられないので、きちんとカットした方がよいかも。

山芋と切り干し大根のキムチ。
野菜もきちんと見てれば、良い感じに火を入れられることが判明!
これからは野菜も任せてくださいw

さて、焼物ですが、これ全部1セットが4人前換算で盛りつけてあります。
このお店は何でも1品500円という明瞭会計なのはいいんですが、カウンターメイン2名1セットのお店でこの配分はどうなの?

うーん。
ということで、モノは悪くないんですけど、お店としてはもうちょっとって感じでしょうか。
中目黒でホルモンならまんてんだな。代々木店出来てから行ってないけど。

店内の雰囲気とか、メニュー構成から、なんとなく吉祥寺の「」というお店に似てるなーと思って聞いてみたら、わで修行された方が独立して出したお店とのことでした。
わももちろん行ったことあります。
悪くないんだけどもう一歩。わざわざ吉祥寺まで足のばして行くほどではない感じでした。

超上段からの物言いですいません。


2010年9月11日土曜日

すし匠 まさ


西麻布にある「すし匠 まさ」というお店に連れて行ってもらいました。

身もだえするほど美味い食べ物って食べたことありますか?
今まで色々と美味しいものを食べてきましたが、自分を制御不能になってしまうなんて……。
続きをWEBでどうぞ。

最初に軽い突き出しとして、わかめ、海ぶどうが盛られます(ガリのポジション)。
別ダレのあっさりとしたぽん酢でいただきます。
この海ぶどうの時点ですごさが分かります。
つぶが非常に大きく、幹も立派です。

続いて煮だこです。
たこを軟らかく煮るには、簡単ではあるけど、ちょっとした技術が必要です。なにも知らないでただ煮ると、硬くてあまり美味しくありません。
最初にたこを出すと言うことは、「うちはちゃんとしたお店です」というお店の意思表示な気がします。

すでにこの時点でテンションが上がってきて、写真はあまり撮ってないし、何を食べたのかもあんまり記憶していません。
写真と記憶にある限り記していきます。

赤貝です。
子供の頃から一番好きな寿司ネタです。
赤貝にはサルボウ貝という近縁種がいます。これは安くて味が薄い。色も薄い。コシがない。独特の臭みがある。
本物の赤貝は、噛むとザクっと気持ちよい音がします。味が濃いです。独特の臭みもあるけど、濃い味と合わさると嫌味が無くなるのです!
私はキュウリがあまり好きではありませんが、この赤貝を食べたときに、キュウリが欲しいと即座に思いました。
赤貝にはキュウリが添えられることが多い理由が、自分で初めて納得できました。
本物を食べることによって、初めて意味が分かるのです。

赤ウニ(塩漬け)。
ねーーーーーーーーーーーーーーっとりしてるのに、あっさり。
最後に他のウニにはない独特な香りが立ちます。

後の方で味付けしていないウニもいただきました。
味付けなしの方が好みでした。

アワビの肝。
アワビのへそ、身、に続いて肝です。
へそがたまらんかった。

イクラのさっと漬け。
生のイクラをその場で20分くらい漬けたものです。
下にはシャリがあります。
イクラとウニはよく比較対象になりますが、その意味が分かります。
イクラは魚卵、ウニは棘皮動物の卵巣。全然違うものなのに、どちらもねっとりとして味が濃厚です。

シャリにねっとりとした液体が絡まったかと思えば、はっきりと粒が残るようにきちんと炊かれたシャリが、パーっとはじけ、すーっと消えて行きます。
たまらん!!!

ちなみにこのシャリは、おひつを開けた瞬間に分かりましたが、赤酢を使っています。
しかもかなり味濃いめです。
けっこう酢の匂いが鼻についたので、ちょっと苦手意識が湧きましたが、食べてみて頭が下がりました。

シャリ単体で食べたら、そりゃあキツイよ。でもタネと合わさったときに、しっかりと支えるのです。うま味が増すのです。
そうでなくちゃ、寿司である意味なんてありません!
刺身と飯ではなく、寿司という料理にするからには、意味があるのです!!!!

包丁の入れ方や、火の入れ方、ネタの大きさ、味付けの量、すべてが「仕事」。意味があるのです!

ここからは写真がありません。
ので、 究極的に記憶に残っている逸品を文字のみで綴ってみます。

穴子のあぶり。
強火で表面だけを薄く焦げ目が付くまであぶってあります。
身は熱が通っただけの半生。
こんな状態の穴子を食べたのは初めて!
美味過ぎる!!!!!

太刀魚のあぶり。
三枚身で12cmはあろうかという大物。
これで1.6kgほど。過去には3kg超のものも仕入れたことがあるとか。
ハラスの方にはわさびを添えてと言うことだったので、身の方からいただきます。

美味すぎて絶句!!!!
すべての過去の体験を総動員しても表現不能な美味さ!!!!!!
すると我が身に何が起こったかというと、腕が、勝手に、勝手に悶え始めた!!!
まるで舞を舞っているかの如く!
笑わそうとしているわけではないのです!

うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

3分ほど舞ったところでようやく自我で腕を押さえることが出来、しかし腕に力が入らない。
震える腕を落ち着け、ハラスをわさびなしでいただく。
ん? 脂が立ちすぎてべったりとくどい。
素直にわさびを添えていただくと、これが美味い!!!!

他には、鰹(たぶん漬け)、白エビ、車エビ(頭も)、コハダ、アンキモ、、、後なんだっけなー。
同じ白身を2種類の食べ方でとか、小さいコウイカ系のなにかとか、20種類以上食べて、〆にシジミの赤だし。
赤だしが命の水である俺でも飲んだこと無いくらい上品な味でした。でもきちんとワイルド。


総評として、とてもアクの強いお店でした。
なんにしてもいちいち手がかかってる。素材そのままってことはほとんどない。ちゃんと仕事が入っている。
しかし個々の強いアクが、とても高い次元で融合して、絶妙なバランスで成り立っている素晴らしいお店でした。
つまり、非常に勉強熱心で、確かな舌を持っている。


いやー、それにしても太刀魚には本当に感動しました。
お値段は半分ゴチだったので正確なところは分かりませんが、いろいろな情報を総合すると2万円前後かな?
まだまだ奥に持っているものがありそうなので、何度か通ってみたいです。